親子の剣道 沢田親子
私が剣道を始めたのは小学1年生の時、警察署の剣友会からでした。その後、親の仕事の都合で岡山へ引っ越してからは町道場で習い、小学6年生の時、また引っ越しとなった時、岡山県のとある道場の先生から「神奈川に行くならここの道場に行ったら?」と薦められたご縁で之久会に入会しました。
之久会は切り返しメイン、というより全体の9割が切り返しの練習でした。とにかく「基本!」「正しい構え!」「正しくおもいっきりのある面打ち!」これが岩波先生の教えでした。
小学6年、中学生時代に之久会で徹底した『正しい切り返し』を稽古した事で、試合で「構えが良い」「真っ直ぐで綺麗な剣道」と諸先生方からお褒めの言葉を頂くことが多くなりました。また、相面になった際は負ける事が無くなり、高校時代は当時最大の目標だった神奈川県の国体選手になる事もでき、諦めず頑張り続ければ夢は叶うという事も教わりました。
練習は切り返しばかりでしたが、剣道を通して岩波先生から学んだことはとても多く、「自分に正しく」「逃げずに立ち向かう」「ごまかさない」「他人の事を考える」「諦めない」等々、人として生きるのに大切な事もたくさん教えて頂きました。
また、団体戦での仲間の大切さ、気持ちを1つにする等も教わり、一番体現できたのが、之久会のメンバーで出場した全国区の大きな大会での3位入賞でした。
あの時のメンバーの一体感、喜び等は今でも忘れません。あの時ばかりは、めったに誉める事のなかった岩波先生も誉めてくださいました。(←それがメンバーには一番嬉しい事だったかもしれません(笑))
今、大人になって、学生時代に先生に教えて頂いた事の重要さ、剣道の技術的な事はもちろんの事、人としてどうあるべきかという大切な事を教えて頂いていたんだなと改めて知りました。また、今だからこそわかってきた事もあり、今でもまだわからない事もまだまだあります。
大人になって更に剣道の魅力にのめり込んできた時、私にとって嬉しい事が。
それは息子(小1)が剣道を始めたことです。保育園児の頃ちょこちょこ道場に連れては来てましたが遊びという感じで、小学生になった時に息子に剣道をやりたいか尋ねた所「やる。強くなる。」と言ったので之久会に入会させました。剣道通して心身共に成長していってもらえればと思っています。もちろん私も剣道家としても人としてもまだまだ未熟者ですので息子と一緒に成長していきたいと思います。
今後の目標は、私よりも強くなって欲しいという願いを込めて「息子と試合をして負ける事」もちろん私もまだまだ成長する予定ですから、簡単には負けるつもりはありません。なので、息子が強くなるまでは何十年と大分時間が掛かるかと思いますが、そのくらいずっと一緒に剣道を続けてもらえたらなと思っています。
沢田 政孝 錬士 六段 (2020年8月)